
こんにちは!mottoです!
今日は、蜜柑のゼリーを食べました!暑くなってきたからサッパリしたいですよね!それでは、ラスベガス旅行記をご覧ください。
ボックスカーがラスベガスについたのは、もう夜だった。煌びやかというよりド派手なと形容した方がしっくりとくる街並みは、ネオンにまみれていて、ピラミッドや凱旋門、自由の女神、ベネチア等を模したホテルが一本の大通りの左右に立ち並んでいた。丁度今夜が大晦日にあたり、人々はHAPPY NEW YEARと飾られたシルクハットやら、様々な色を放つペンライトを握ったりしていた。また路上では原色で装飾されたクラッカーや、過剰にデコレーションされたサングラスなどを並べて販売されていた。街にはあと数時間後に始まるであろうカウントダウンに向けて準備をしていた。
そのソワソワとした華やかな空気感が街中に漂っていた。
僕は、その人混みを避けるようにオーというシルクドソレイユが主催するサーカスを見に行った。オーは、ラスベガスの数あるショーの中でも1番有名で歴史と権威を持ったショーの一つだ。舞台が噴水を含んだセットになっていて、その中で数多くのスイマーが所狭しと泳いだり、空中ブランコが出現したり、飛んだりする。
その水の煌めきや、光の輝き、スイマー達の躍動は見ていて圧巻だった。約1時間くらいのショーだったがあっという間に過ぎた。
高額のチケットだったがそれなりに満足して会場を後にするとほとんどの人が、カウントダウンが行われるフォーコーナーと呼ばれる目抜き通りの交差点の先に足早に向かっていた。
僕もそれに続いた。途中で安いセロファンのような素材で出来た、シルクハットを露天で買った。ある程度迄来ると人混みでもうそれ以上進めなくなった。僕はそこで先ほど買ったシルクハットを被った。
前方の人混みの先にビッグスクリーンがあり、人々は息を飲むように見つめていた。
そしてやがてスクリーンが10というデジタル表示を写し出すと人々はどよめき、さらにカウントダウンされて3が表示されると一斉に声を揃えた。スリー、トゥー、ワン、ゼロ!カウントがゼロになると真っ正面の道の先で轟音を立てて、花火が上がった。
人々は、それがさも合図であるかのように喜びの叫び声を発し、誰かれ構わず、ハイタッチをしたり、抱き合ったりしていた。僕も立っていられない程揉みくちゃにされながらも、ハグやハイタッチを求められたら全力で答えていた。何もかもを忘れさせる瞬間だった。
やがてカウントダウンが終わり、少しずつ静寂に近づいてきたがそれでも、先程の律動や熱気や興奮はこのアスファルトのうえに媚びりつくように残っていて、誰もがその余韻に浸っていた。僕達は人混みの中をそれぞれに帰っていく。時折、ハッピーニューイヤー!という叫びが聞こえた。
オーのショーもこのカウントダウンも、そうだがそこには、歴然たる”生”があった。オーのショーではダイナミックでキレのある動きに生命の熱りを感じさせたし、カウントダウンの時には誰もが”死”という存在がまるで永遠に来ないか、もしくは存在しないかのように今を愉しんでいた。
今朝、僕はグランドキャニオンを見て「死」というものを意識した。一方でラスベガスに戻って来てからは一瞬でも「死」を忘れさせられる娯楽や、賭博などの快楽が、この街中に溢れている事を感じた。
人々の群れは、未だにハッピーニューイヤー!と一種の奇声に近い歓声を時折、発していた。そして人々はそれぞれの帰る場所を目指していた。僕の左手側には、ライトアップされたエッフェル塔と凱旋門を擁したホテルが見えた。右手にはベラージオだ。
僕は今夜泊まる、ルクソールというホテルを目指して人混みの中を歩いていた。その興奮覚めやらぬ人混みの熱気の中に人々が残していった紛れもない弛まぬ生命の営みを感じていた。
いつかこの身体も呼吸しなくなる時が来る。その時に僕はどこにいるのだろうか?後悔はしていないろうか?今を大切にしろとよく人は言うけれど、毎日何かをやり遂げれる訳じゃない。
何も出来ない時もある。
それでも生きる為に何かを食べて何かを捨てて生命を維持していく。当たり前だけれど僕の人生は、グランドキャニオンのように人々に感動を与えている存在にはなっていない。
例え、そういう存在になれなくてもその努力はしているのだろうか?
目の前の何かを掴む為に自らを奮い立たせて生きた証を掴みとれるだろうか?
そんな事を思いながら歩いていたら、遠くで若い青年達がはしゃぐ歓声がした。
僕は立ち止まり彼らを振り返った。
白人の青年達は誰を気にする事なく叫んでいた。それはまるで何かに反抗しているかのように見えた。
冷たい風が僕の頬をそっと撫でた。
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サンキュー!
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